アカモクはいつ取るべきか?
「アカモクってなんでこんなに粘るの?」
って思ったことありませんか?
この粘りに関係しているのが水溶性の食物繊維である「フコイダン」「アルギン酸」と言われています。
これらの成分はいわゆる腸内環境に良いとされており、アカモクを代表する栄養素です。
それらが多く含まれるほどに粘りが強くなります。
どのくらい含まれていたらどれくらい粘るのかというのは具体的な数値で表すことはまだできていません。
これらの成分の含有量は「成熟」と関係しています。
つまり「いつ収穫するか?」ということがポイントになって来ます。
アカモクは、収穫段階で粘りが出ている場合もあれば、ボイルした後に粘りが出る場合もあります。
粘りは外見上だけでは判断できない時があるということです。
アカモクは若い時は粘りは少なく。成熟末期は粘りも無くなります。
収穫開始時期には、粘りがあるかどうかがとても大事なポイントです。
粘りのないアカモクはアカモクではないですよね。
収穫しても粘らないかもしれない・・・。そんな不安が新ものの収穫時期に漁師さんにはあります。
実際に私たちの浜でも、収穫したアカモクが全く粘らなかったということもありました。
それ以来、収穫前にはサンプル採取して漁に出るという体制をとるようになりました。
いつの時期にどこの藻場がどのような粘りになるかなど細かな海の情報を記録している漁師さんもいます。
収穫時期が大切な理由はもう一つあります。
それは・・・「異物の付着」
コケムシという、この白い毛のようなもの。
これがつくと全て取り除かないといけないのですごく手間がかかります。
ですので、これがついていないアカモクを選んで収穫するようにします。
そうすると量が取れないので漁師としては商売になりません。
ただ、このコケムシの発生原因がはっきりしていないというのが一つの問題です。
県の研究機関と調査もしておりますが、今の所は収穫時期が遅くなるとコケムシがつきやすい。
ということです。
ですので、なるべく早く収穫するように心がけています。
粘りのある中で、できるだけ早い段階から収穫していくというのが私たちの浜である仙崎の体制です。
毎日のように海に出て、ベストなタイミングで収穫を始める。
その海を熟知した漁師にしかできない仕事です。
多くの漁師はアカモクを収穫したことがないと思います。
事実私たちの浜でもそうでした。
初めて収穫する際は、漁師さんも加工屋さんもお客さんも手探りでした。
どうやってとるのか?どうやって作るのか?どうやって食べるのか?
メディアで取り上げられたことにより一時的なブームになり、どんな品質でも売れるから取りたいだけ取るというようなことが起きなければいいなと危惧しております。
取りすぎると藻場は枯れてしまいます。それを住処にしている小魚も困ります。赤潮を吸収できなくなります。
アカモクの存在意義を理解して、海と共存していくためにはどれくらいの収穫量が適正か?というのを頭に置いてアカモクに携わってほしいです。
生産者と加工者がお互いに協力して持続可能な漁業のあり方をアカモクを通して見つけていければ良いなと思います。
アカモクについてご質問やご意見があればどんどんいただきたいです。
豊かな海と豊かなあなたの生活のためにアカモクを!