そのアカモク、どこで獲っているか知っていますか?

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アカモクの色が茶色っぽいんですがなぜですか?

と聞かれたことがあります。

アカモクというと何色をイメージしますか?・・・・鮮やかな緑色じゃないでしょうか?。
これが当たり前と思うかもしれませんが、実は黄色や茶色になる場合も少なくないんです。
その現象はなぜか?ということを私なりに説明したいと思います。

アカモクはデリケートな海藻です。
それは育った海の環境、時期、とり方によって色合いや大きさが全く違うからです。
実際に加工してみるとよくわかります。

メディアでは、どこにでもあると言われているアカモクですが、
どこで、誰が、いつ、どのようにしてとったのか?
というのが重要だなと思っています。

それぞれの条件について分けて説明します。
まずはどこで?について

アカモクの育つ海の環境を
水質と地形の二つに分けて考えてみます。

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【水質】

海の栄養の多くは山から川を伝って海に運ばれます。

近くにどのような山があり川があるかというのは良い漁場がある必須条件です。

ダム建設によって水がせき止められたりすると、一気に海の環境は悪くなります。

また、工場や住宅がどれくらいあるか?

生活排水や工業排水は海に流れて栄養素の一部になると言えますが、逆に有害な物質も流れてくるというデメリットも多くあります。

アカモクの特徴は、リンや窒素を吸収することです。それが海の環境を綺麗にする役割を担っているのです。


だから収穫される海の付近の生活環境によって、リンや窒素の濃度が異なるので海藻の色合いも変わってくるのだと思います。

また、密集して生えていると栄養不足になり大きく成長しないまま枯れていきます。

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【地形】

潮通しという言葉があります。

これは地形によって海水がどのような強さでその場所を流れるかということです。

大きく分けると、外海と言われる日本海と内海と言われる仙崎湾や深川湾の湾内。

外海と湾内では波の大きさが全く違います。

簡単に言うと、外海は波が強いので、その波に耐えようとアカモクの茎も太く強いものになります。

逆に湾内は穏やかなので茎は細く柔らかい食感のアカモクになります。

外海と湾内というだけではなく、それぞれの藻場によって岩の配置が異なり、さらに潮位の変化があります。

様々条件によって海水の流れの強さが決まります。

そこを流れる潮の流れを潮通しといい、適度な潮通しの場所に良いアカモクはあります。

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では、それはどこなのか?

というのはとってみなければわかりません笑

だから漁師さんとあーでもないこーでもないと言いながらお互い駆け引きせず、アカモクについて話をする時間が大切だと思っています。

私たちのアカモク
湾内は仙崎湾・深川湾を中心とした仙崎地区、野波瀬地区、湊地区、通地区
日本海沿岸は、下関市南風泊地区、萩市玉江地区、長門市立石地区(ここは123基の赤い鳥居で最近有名になった元乃隅稲荷神社があるところです。)

瀬戸内海側は、室津地区の漁師さんに収穫してもらっています。


アカモクが黄色い原因は、栄養不足だと思います。

密集して潮通しの良くない場所で育ったからだと。

アカモクの色はアカモクの育った場所に影響されていると思います。


次回はアカモクの収穫時期について書いて見たいと思います。

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